理系院生に読んで欲しい2冊(Excel/PPT関連)

さて、タイトルの通り、

理系院生に読んで欲しい本を紹介したいと思います。

 

 

今年読んで、これは大学院時代に読んでおけばよかった

という2冊です。

 

まず1冊目。

プロジェクトメンバーで、ファイルを共有することが多いこともあり、

誰が見ても「どんな計算がされているか」理解できるように

作成をする必要がありますが、

 

この本は「見やすいエクセルファイル」を作るために、

よくまとめられた一冊かと思います。

その他、ショートカットなども含めて、充実の内容です。

 

「見やすいエクセルファイル」って

計算間違いなどが起こりにくいファイル

でもあると思います。

 

大学院生だと、ローデータからの計算ファイルなどって、

他の誰かがチェックする機会ってないと思うので、

見やすく、間違いにくいファイル作りって案外大切だと思うわけです。

 

2冊目はこちら 

伝わるデザインの基本 増補改訂版 よい資料を作るためのレイアウトのルール
 

 今から考え直すと院生時代の自分のパワーポイント資料は

本当にわかりにくかったと思います。

(今も、まだまだですが。)

この本は理系の研究者の方が書かれていて、

センスに頼るのではなく、

理論的にレイアウトのルールが示されています。

 

Webでもまとめられているので、ぜひ。

伝わるデザイン|研究発表のユニバーサルデザイン

 

理系院生って、

いろんなことが「我流」「研究室流」

になりがちだと思うので、

(自分もそうでした)

ぜひ少し読んでみていただければ。

実践型クリティカルシンキング

さて、今回の本は、

「実践型クリティカルシンキング

です。

 

マッキンゼー出身の佐々木裕子さんによるセミナーをもとに

執筆された本です。

 

 

実践型クリティカルシンキング (21世紀スキル)

実践型クリティカルシンキング (21世紀スキル)

 

 

実はこの本、

大学時代に買って一度読んだもので、

今回は読み直しです。

 

本自体は非常に薄いですし、

会話形式でサクッと読めてしまうかつ、

基本の「キ」がまとまっていて、

普段なんとなく行っている思考を見直すにはちょうど良いです。

 

個人的にポイントは、

1.ズームイン/ズームアウトを意識的に使う

2.解くべき命題を明確にする

3.解決策を意識して課題を整理する

 

1.ズームイン/ズームアウトを意識的に使う

自分自身、ズームイン/ズームアウトは普段からやっています。

ただ、「今、ズームインしているな」あるいは「ズームアウトしているな」

ということを意識はしていないです。

 

ここを意識しながら考えることで物事を構造化して捉えることができると思います。

特に、人の話を聞いている間やディスカッションをしている間に、

ズームイン/ズームアウトの意識を持って話を聞ければ、

話の全体を構造化できますし、「つまり、こういうことですか?」とまとめて行ってあげるとができます。

 

 

2.解くべき命題を明確にする

これは、ズームイン/ズームアウトとも関係しますが、

「この課題の本質は何か?」ということは常に意識する必要があります。

コンサルティングをしていると、

クライアントの方から「新規事業を立ち上げたい」と言われることがあります。

この時、クライアントにとってこの新規事業を

・5年以内に黒字化できれば良いのか

・5年以内に全社利益の25%を稼ぐ事業にしたいのか

CSRとして行いたいのか

で、当然ながら取るべきアプローチは変わります。

課題の裏側にある本質(=なぜ?)を捉えることは、

当然ながら重要な要素です。

 

 

3.解決策を意識して課題を整理する

自分もよくやりがちですが、

綺麗に整理はできたが、「で?」と言われるパターン。

これは、課題の整理に目がいってしまい、

解決策まで見えていないことが原因のことが多いように思います。

 

年代や性別、居住地域などで分けるのは、MECEですしわかりやすいですが、

必ずしも筋が良いわけではありません。

そこで重要なのは、仮説思考ではないでしょうか。

解決策を見据えた上で、課題を整理して初めて、

意味ある整理となります。(自戒も込めて。)

 

 

冒頭書いた通り、サクッと読めてしまうので、

自分の思考のチェックリストには、良い一冊だと思います。

対デジタル・ディスラプター戦略

さて、今回は

IMD教授のマイケル・ウェイドらによる著作、

「対デジタル・ディスラプター戦略」です。

 

対デジタル・ディスラプター戦略 既存企業の戦い方

対デジタル・ディスラプター戦略 既存企業の戦い方

 

デジタル技術を用いて、

破壊的イノベーションを起こし、

既存市場を大きく変えるベンチャー企業が、

様々な業界に登場しています。

 

そんな中で既存企業が、

ディスラプションに耐え、

逆に企業として成長していくために何が必要か

ということを説いた本です。

 

”破壊的イノベーションを起こすベンチャー企業側”

に関する書籍も非常にたくさんありますが、

コンサルティング会社に勤務するものとして、

一緒に仕事をするのは既存企業が、どのように生き残って行くべきか

という内容は直接的にではないにしろ業務に落とし込めそうな内容でした。

 

この本は、シスコとIMDが共同で設立したDBTセンター(Global Center for Desital Business Transformation)での調査研究をもとにしています。

 

概要としては、まず著者はデジタル化がもたらす3つのバリュー

・コストバリュー

 →価格を大幅に下げることに代表される経済的利益の破壊的イノベーション

・エクスペリエンスバリュー

 →顧客に新しい購買/消費体験を提供する破壊的イノベーション

プラットホームバリュー

 →従来にはないネットワーク効果を提供する破壊的イノベーション

を提示します。

 

このあと、これに対応するために既存企業が取るべき4つの戦略を示しますが、

3つの新しいバリューと4つの戦略を繋ぐものとして、

・バリューバンパイア

 →自らの競争優位を武器に市場全体の売上 and/or 利益を縮小させてしまう企業

・バリューベイカンシー

 →デジタル・ディスラプションによって生じた市場の空隙で利益を享受できるチャンス

を提示します。

 

4つの戦略のうち、2つは防衛的戦略、残る2つは攻撃的戦略です。

まず、防衛的戦略(バリューバンパイアから自社を守る戦略)としては

・収穫的戦略

 →ディスラプションに対し、自社の既存資源を活用することで既存事業を守る戦略

・撤退戦略

 →自社の中核事業を諦め、収益を得ることができるニッチ分野に集中する戦略

 

続いて攻撃的戦略(バリューベイカンシーを追求する戦略)としては

・破壊的戦略

 →既存の中核事業に対して自らディスラプションを起こす戦略

・拠点戦略

 →進行するディスラプションと対峙するポジションを市場内に確保する戦略

 

書籍の中でも述べられているように、

現在の変化のスピードを思えば、

プランニングをしている時間はありません。

 

だからこそ、これらの戦略を実施していくための能力を

組織として身につける必要があります。

 

その能力とは、

・ハイパーアウェアネス(察知力)

・情報に基づく意思決定力

・迅速な実行力

を土台とするデジタルビジネス・アジリティです。

 

この話を日本企業の経営陣にしても、

”ピンとこない”というのが現状かもしれません。

 

その意味で、実際の業務に落とし込むには、

もう一段咀嚼が必要かと思います。

 

DBTセンターの取り組みはこの本が執筆された段階では

まだ道半ばだとのことなので、本の続編が楽しみです。

バーボン 〜第1回〜

さて、ウイスキーシリーズ第3回です。

12月に入り若干バタバタしていたので、

金曜夜に久々に自宅近くのバーへ

 

一杯目はいつも通りグレンフィディック

この後飲むバーボンと比較しても、フルーティ。

やっとこのフルーティさがわかってきた感じです。

 

二杯目はバーボンへ。

 

大麦を主原料にするスコッチに対し、

バーボンはトウモロコシが主原料。

 

まずはブッカーズ

由来はビーム家の6代目、ブッカー・ノー氏にちなんだものだそうです。

 

度数60%超と非常に高いのですが、

深みがある、アルコール度数を感じさせない飲みやすさ。

 

まだ少し時間があったので、

今回は三杯目まで。

三杯目は日本ではなかなか手に入らないという、

Koval

 

2008年創業、禁酒法以降シカゴ初の蒸留所だそうです。

http://scotch-malt.co.jp/koval

 

まだ、若い蒸留所ということと、

この前にブッカーズを飲んでいたこともあり、

軽いというのが第一印象でした。

 

ただ、スッキリと飲みやすく、

今後が楽しみなウイスキーです。

 

さて、また次回、近々。

デジタルエコノミーはいかにして道を誤るか

 今月の読書会の課題図書はこちらでした。

まずはじめに書いておくと、タイトル(邦題)はミスリードです。笑

 

おそらく原題は”The Wealth of Humans”だと思うのですが、

こちらの方が(当然ながら)内容に即しています。

 

 

デジタルエコノミーはいかにして道を誤るか―労働力余剰と人類の富

デジタルエコノミーはいかにして道を誤るか―労働力余剰と人類の富

 

 

課題設定としては、

デジタル化が進み、労働力余剰が発生した際に、

どのように富を分配するのかということでした。

 

後半は富の再分配ということで、

ベーシックインカムのあり方の話なんかも出てきたのですが、

個人的に面白いと思った点をいくつかあげます。

 

1.テクノロジーが生まれてから、実際に社会で活用されるまでには数十年のタイムラグがある

第二次世界大戦を通じて、コンピュータを用いて計算をすることの有用性が認識され、現在のコンピュータ産業の土台が築かれた。

かの有名なムーアの法則が提唱されたのは1965年。

確かに約50年でコンピュータは私たちの生活を便利にしましたが、

産業革命の時ほどの大きなインパクトはまだ起こっていないのではないか?

 

これに対する筆者の解は、革新的な発明が社会を帰るには、社会がその有効な活用法を学ばなければならないということです。

実際に、電気の利用法をめぐる主要な発見は1870〜80年代になされたものの、

電気が家庭に普及したのは1920年代になってからで、ここにも50年のタイムラグがあるというのです。

 

2.雇用のトリレンマ:「高い生産性と高い給料」「自動化に対する抵抗力」「大量の労働者を雇用する可能性」の3つを同時に満たすことはできない

→これは、例えば高い生産性と高い給料、大量の雇用が生まれたとするなら、企業の経営者は自動化により雇用者の削減を図ろうとする。また、自動化に対する抵抗力が十分にあり、大量の労働者が雇用されるような場合には、自動化するよりも大量の労働者を雇用する方が安く済むような場合であり、高い給料は達成されない。ということです。

 

つまり、テクノロジーの進展により、自動化が進む。これにより労働力の余剰は増え相対的に労働者の交渉力が低下するために、賃金は低下します。そうすると、企業は自動化への投資をせず、労働者を低賃金で雇うと言った状況が生まれるのです。

 

3.強力なソーシャルキャピタルを有するコミュニティに、外部から人が入ることでそのソーシャルキャピタルを移転することができる。

→近年の企業価値は、物的なものではなくその企業が持つ独自の文化やノウハウなど目に見えないものが多くを占めます。都市においても同様で、人々の繋がりやその都市において共有されている非物質的な文化が価値を有しています。

これらは容易に外部へ移転できるものではない一方、外部から入ってきた人がこのソーシャルキャピタルを得ることは可能ということです。

 

自分のメモ程度なので、雑に書いてしまいましたが、

ポイント、ポイントは非常に学ぶことの多い書籍でした。

スコッチウイスキー 〜第2回〜

今回も自宅近くのバーへ。

 

入った時点で他のお客さんがいらっしゃらなかったので、

ゆったりバーテンダーさんと話しながら

グレンフィディックを楽しむ。

 

2杯目はアイラウイスキーに挑戦。

アイラウイスキーはスコッチの中でも、

アイラ島で作られるものを呼びます。

 

消毒液のような香りが特徴で、

スモーキーなどと形容されます。

 

ちなみにこの香りは、

海藻などが堆積してできたピートを

ウイスキー製造過程の麦芽乾燥の段階で焚いていることによります。

 

オーダーしたのは、ブルイックラディ

こちらはスモーキーと言われるアイラの中でも比較的軽めなのだそう。

 

それに対する比較でサービスしてくださった、LAPHROAIGが衝撃的でした。

 

どこか懐かしい味、、、、なんだろう、、、

そう、正露丸。笑

 

苦手な人も多い一方、病みつきになる人もいるそう。

苦手ではなかったですが、好んで飲むためにはもう少し時間が必要です。

 

オーダーしたのは、ボウモアですかね。

こちらは比較的スモーキー弱めでした。

 

近くに座ったおじさん二人組が、

なんと焼肉を差し入れてくださり、

お呼ばれしながら至福の時でした。

 

スコッチウイスキー 〜第1回〜

そろそろお酒もしっかり勉強したいなぁと思って、

いろいろ調べつつ、直近で飲んだものを中心にまとめていきたいと思います。

 

わざわざ書くまでのこともないですが、

お酒は、

発酵させて作る”醸造酒”

発酵させたものをさらに蒸留して作る”蒸留酒(スピリッツ)”

に大別されます。

 

ウイスキー蒸留酒の一種で

麦芽などの穀物を原料に木樽で熟成させたものを指します。

 

その他の蒸留酒としては

穀物、白樺の炭でろ過→ウォッカ
穀物、植物性成分を混合→ジン
さとうきび→ラム
ぶどう→ブランデー
竜舌蘭→テキーラ

といった具合です。

 

ウイスキーの種類としては、

アメリカのケンタッキー州を中心として生産される”バーボン”や、

スコットランドで生産される”スコッチ”などがあります。

 

さて、そんなわけで今回はタイトル通りスコッチウイスキー

今回いただいたのは、

グレンフィディック12年と、グレンリベット12年

いずれもスペイサイドのお酒とのこと。

 

本当ならここで味の感想を書くべきなのですが、

まだまだそんなレベルには至らず。

 

ボトルで買って家で飲みましょうかね。