仕事の話。先日の新潟県でのJR立ち往生に絡めて。

先週、新潟県での豪雪に伴い、

JR信越線の列車が約15時間に渡って立ち往生し、

乗客400人あまりが列車で夜を明かすという事態になりました。

www.nikkei.com

様々なニュース、意見が飛び交っていますが、

”主な”かつ検証すべき論点は

1.運行可能との判断は適切だったか

2.立ち往生中の対応が適切だったか

の2点です。

 

まず1点目ですが、JRが状況を過小評価してしまった

という報道が大勢を占めています。

 

一方、2点目はかなり議論の余地がありそうです。

ここでは、「乗客を車外に降ろすべきだったか」ということに論点を絞りますが、

個人的な印象としては、

報道が出始めた頃は、「なぜ車外に降ろさなかったのか?降ろすべきではなかったか」という論調が多かったように思いますが、

徐々に、「降ろさないという判断は適切だっただろう」という報道も出てきたように思います。

 

論調が変わってきた理由としては、

「なぜ降ろさなかったか」という部分に対する検証が進んだからです。

逆に言えば、当初の「乗客を車外に降ろすべきだ」という論調は一種感情的に発せられたものと捉えることができます。

 

”なぜ”という点に対して早い段階で記事化していたのは、buzzfeedのこちらの記事かと思います。

www.buzzfeed.com

12日の記事(立ち往生は11日-12日)ですし、内容は不十分かもしれないですが、

視点としてはポイントを捉えています。

 

ここから話を一般化していきますが、

人々が感情的に「◯◯だ、◯◯すべき」と思うことに対して、

それとは違う対応が取られることがあります。

 

そして、その裏には必ず理由があります。

その理由を検証できるかで、確実に議論の深さは変わってきます。

 

以下、半分ほどは先輩の受け売りですが、

例えばクライアントになり得る、ある会社において、

・売上は低下傾向(業界全体としても低下傾向)

販管費に占める人件費の割合が大きい

とします。

 

この時感情的には、「人件費を下げる必要がある」という話になるのですが、

まず、既にその取り組みを行っているのかを検証する必要があります。

(JR立ち往生のニュースでは明らかですが、乗客を降ろしているor降ろしていないの検証にあたります)

 

人件費を削減しているのであれば、

「その上でどんな課題があるのか」を議論のスタート地点にできますし、

人件費が削減できていないのであれば、

「なぜ削減できていないのか」に関して議論ができます。

 

ちなみに、人件費の動き程度は基本的に公開情報(企業のIR資料)から引き出すことが可能です。

 

 

ごくごく当たり前のことなのですが、

”なぜ”と一段掘り下げることで議論の深さは大きく異なります。

 

当たり前のことながら、

ニュースは新聞を作っている人、そこに出ているコメンテーターでも、

十分にできていないということを痛感した今回の一連の報道でした。